【北欧家具】Hans J. Wegnerデザイン GE181 張替済み（Danish Art Weaving生地）

【商品説明】
もちろん、ウェグナー と言えば、「GE290」や「ベアチェア」、そして「Yチェア」。誰もが知る逸品です。ただ、どれもデザインされた年代が1940年代、そして1950年代。ウェグナーが93歳で他界したのはつい最近の2007年。私達が知るあの椅子をデザインしてから半世紀以上も経っています。誰もが知るあの椅子をデザインしてから、ウェグナー は何をしていたのでしょうか。彼は生涯に500脚以上の椅子をデザインしていたと言いますから、当然、私達が知らないだけで、いつも椅子をデザインしていたんです。でも、ウェグナーにも「ロータイム」（デザインした椅子が売れない時期）があるんです。それは、1960年代後半から80年代前半まで。「ベトナム戦争」と重なります。終わりの見えないベトナム戦争を見ていたアメリカの若者は、あの戦争の無意味さに当時の政治に大きな不信感を抱きました。その政治への不信感は、全体主義への不信感に変わり、その全体主義が画一的な工業製品への批判へと繋がっていくのです。ベトナム戦争反対はヒッピー文化の開花を意味します。

個人主義、自由主義をモットーに活動していた若者文化は社会全体に広がっていきます。その広がりはアメリカだけでなく、全世界へと広がってきました。その広がったヒッピー文化へ対応するため、家具産業は様々な施策を打ちます。その大きな流れが、「ユニークなデザイン」です。バーナー・パントンのような、それまで家具には使われなかったプラチックや、機能性を度外視したデザインを得意とするデザイナーをどんどん採用し、世間をあっと言わせ、工業製品である家具をあたかもユニークで個性豊かなものであるように見せかけ、ヒッピー文化に影響された人々へも家具を販売していこうと試みます。

この頃、木製で正直な、そして機能性豊かなウェグナーの作品は「退屈だ」として人々から敬遠をされてしまうのです。それを知った家具メーカーはウェグナーのデザインした家具を全面に出し販促をかけていくことをやめてしまうのです。

ただこの時期にもウェグナーは自分の信じる道を進み続け、彼自身がいいと思うものを精力的にデザインしていきました。その主な供給先となったのが施設です。病院や学校、そして介護施設など、どうしても機能的な部分を外せないところに、この時期にウェグナーがデザインしたものが採用されています。この「GE181」もこの時期の作品です。施設で使われるよに、丈夫でそして座り心地を最優先に作られた椅子です。座高が高く、ハイバック。床と平行のアームはコップ等を置いても中のものが溢れることはありません。太いオーク材が使われ、長年の使用にも耐えうる構造です。座面、そして背面のウレタンの中にはきっちりとバネが使われ、長時間の使用でも座り心地が大きく変わることはありません。また、張替ができるように、張り方にも工夫があります。もちろん、デザインのシャープさでは、その他の作品には及びませんが、この静かな時期にだかこそウェグナーがデザインできた逸品なのではないでしょか。できればお年を召した方に使って頂きたいお椅子です。座りやすい、そして立ち上がり易い。安定感が抜群で、座っていて全く不安感がありません。お値段も他のウェグナーの作品に比べるとぐっとお安くなっています。いかがでしょうか。

フレーム等、木部は丁寧に研磨、そしてワックスで磨き込みました。クッションはウレタンを交換。張地はスムーズな手触りのウール主体の生地です。柄はデンマーク伝統の柄「オルマーデゥグゥー」、デンマーク老舗生地会社「Danish Art Weaving」が1950年代から供給し続ける品のある柄です。ワックスは水気で輪ジミ等ができてしまうので、気になる方はアームにコップ等を置く場合はコースター等をご使用下さい。