ナナ・ディツェル（1923-2005、デンマーク）が子供用にとデザインしたスツールが元祖「トリッセン」（デンマーク語で「糸巻き」）。彼女はそのスツールを元に様々なサイズのもの、そして用途のものをデザインしています。今ではそれら全てを総称して「トリッセン」シリーズと呼ぶようになってます。

トリッセンシリーズの中のこの「ND109」は「カフェテーブル」。直径が90cmあるテーブルですから、デンマークのように主たるダイニングテーブルがあって、そのサブとしてカフェテーブルを置く文化があるならこの名称は正しいのかもしれません。ただ、私たちの生活では高さ70cmほどの食事ができるテーブルを2つ同時に使うということは稀ですから、私たちにとって、このテーブルは「小さなダイニングテーブル」と呼んだ方がいいのかもしれません。

直径は90cm。食事で使える人数は2名。このテーブルの本来の名前通り「カフェ」使用なら、4名でも大丈夫。1人暮らし用にと食事、そして仕事兼用でも大丈夫。また、1本脚のテーブルは「フリーアドレス」で椅子の位置を選ばないので、設置場所を検討する時、少しだけ気が楽になります。

1本の無垢材で成る脚は天然のオーク材。そのしっかりした脚に絶妙なバランスで取り付けられた台座と天板。単純な構造であるこのテーブルの命はこのフォルム。天板の厚み、大きさ、それに合わす台座は転倒の危険を回避しつつ最高のプロポーションで成り立つようにデザインされてます。単純であるが故、フォルムからの美しさが際立つ逸品。最高のプロポーションを奏でるための無駄なものを排除する作業は私たちの想像以上のはず。プロポーションの美しの裏にある試行錯誤が垣間見れて、また彼女の思慮深さが感じられて、最高のテーブルです。

ナナ・ディツェル（1923-2005、デンマーク）が子供用にとデザインしたスツールが元祖「トリッセン」（デンマーク語で「糸巻き」）。彼女はそのスツールを元に様々なサイズのもの、そして用途のものをデザインしています。どれも、構造は同じでとても簡単。天板と台座が支柱を挟み込んでいるだけです。どれも支柱への天板、そして台座の取り付けはスクリュー式。「ND109」、綺麗に正確に削り出された質量のある無垢材が使われたこのテーブルは簡単な構造ですが、転倒なく安全にお使い頂けます。

現在、このテーブルを製造しているのはデンマークの「Snedkergaarden」（「スネカルガールデン」）。とても小さな工房ですが、昔ながらの製法でデンマーク伝統の木工技術を今に伝えています。

仕上（塗装）

オーク材 ／ ソープ仕上
白木本来の美しさを最大限にお感じ頂ける美しい仕上げです。ただ、ソープ水を木に染み込ませ乾かしただけの仕上げですので、素地の保護という観点からはその効果は期待できません。水もしみます、汚れもついてきます。ですが、オーク材の凛とした雰囲気にはとても合う仕上げです。

オーク材 ／ オイル仕上
森の王様と言われるオーク材をさらに金色に輝かせる素敵な仕上げです。オイルをオーク材に塗布すると濡れ色になります。その濡れ色が金色に見え、またしっとりとした雰囲気が出てきます。木表面の保護についてはソープ仕上げと比べ若干ですが、その効力は増します。ですが、ソープ仕上げと同じで塗膜を作らない仕上げですので、あまり期待はできません。オーク材を白木のまま使いたいのか、あるいは濡れ色にして使いたいのか、この判断に委ねられています。