【商品説明】
2段の直線的な小さなチェスト。デンマーク等、欧米諸国では住んでいるお家のサイズが日本のそれよりも大きく、使う収納家具も大きなものが多いと思われがち。実はそうではありません。あちらの一般家庭にお邪魔してみると、色々なところに大小様々なサイズの家具が使われているのが分かります。それは、圧倒的に造り付けの収納が少ないから。現在、日本では家具が需要がみるみる下がっています。その理由の大きな部分を占めるのは「婚礼家具」の需要減。以前は沢山あった、「お嫁さんを婚礼家具と一緒にお迎えする」という風潮は今では全く途絶え、「家具は後からで」という時代になりました。そしてもう一つが、現在の建築事情。私たちが配達に行って思うのが「収納がたくさん」。注文住宅、そして建売住宅、共に、最初から備え付けられている収納箇所の多さにびっくりです。あちらこちらに収納できる。そして、その収納場所に収納したいものを置けば、たとえそこに「プラケース」を使ったとしても、誰の目に触れることもなく、「見ても使ってもいい感じ」という家具は全く必要がありません。

デンマークは事情が違います。古いお家を何世代にも渡って使っていく住文化。いろんな人がいろんな形で住み、そして次の住民へと渡して行きます。もともと古いお家、今ほど収納箇所は多くない。あった収納も以前の住人のために作られているため、新しい住人の生活にフィットするかどうか全く保証がありません。そんな環境の中、大小様々なサイズの収納家具が入る余地が日本よりもまだまだ多く残されています。

この何気ない2段のチェストもそんなデンマークの住環境の中でずっと使われていました。必要とする人に必要とされる場所に置かれ、ずっと一緒に暮らしていたチェスト。どんな風に使われていたのでしょうか。針箱が入っていたかもしれません。家族との写真が入っていたかもしれません。そんなチェストが国を離れ遠い見知らぬ国にやってきて第二の人生を歩むことになりました。この遠い見知らぬ国で必要とする人と必要とされる場所でデンマークでそうだったようにこれから何十年も大切に使ってもらえる、そんな時間を与えることがきればいいなと思います。

前面は材続きの木理。ボディとレッグの絶妙なプロポーション。脚はチーク無垢材。引き出しの中の底板は新しいものに替えておきました。天板に少しに打痕がありますが、古いものなので愛嬌と思って頂ける程軽微なもの。引き出しの出し入れはスムーズに調整。平均台でのがたつき調整はいつもの通り。研磨、そして天然成分のオイルで仕上げてあります。脚はスクリュー式ですので、発送の際、運送事故を避けるため外し、本体の引き出しに入れて全体を1つの箱に梱包、安全に発送致します。