ルイスポールセンに行ってきました ▶︎

「SASロイヤルホテル」のためにデザインされたAJ ランプ

あの時代のどのデザイナーも目指したドイツバウハウスから始まった機能主義的デザイン、このAJテーブルランプをデザインしたアーネ・ヤコブセンも例外ではありません。

同じ時代に生きた有名なフィンランド人デザイナーであるエーロ・サーリネンとアメリカのチャールズ／レイ・イームズが3次元曲げの合板技術を応用して作った画期的な木製椅子の象徴されるように、戦争のために培った工業技術を積極的にデザインの中に取り入れ無駄を省きながらも、機能的で使い易い作品を作り出すことは、戦争からの物資不足に苦しんでいた国々にとっては希望の光であったに違いありません。ただ、そこには工業技術の応用からできたものであるが故の少し冷えた、人との関係性が無視された温かみが不足しがちなデザインが多かったことは事実。

アーネ・ヤコブセンがデザインを担当した「SASロイヤルホテル」があの当時のデザイン界で「ゲームチェンジャー」と呼ばれた所以、それはその機能主義一辺倒の当時のデザイン界に北欧デンマークらしい温かみのある人とものとの関係を示したからだと言われています。SASロイヤルホテルでアーネ・ヤコブセンが採用した作品への素材は金属、ガラス、そしてプラスチックなど、当時世界で機能主義を体現する中心的素材として注目を浴びていたものばかり。ですが、デザインされた作品を一点一点よくよく見ると、どれもどことなく北欧らしい温かみがが感じられるものばかり。

アーネ・ヤコブセンがデザインで世界に示したかったのはデンマーク人としての彼のアイデンティティに他らない。

彼はユダヤ系のデンマーク人。父親はコペンハーゲン在住の貿易商。民族的な迫害を受け、世界各地に分散し、その地で大きな成功を収めた人が非常に多い民族です。彼が自身の民族的ルーツに対して葛藤した時期があります。それは1940年のスウェーデンへの亡命。

ゲルマン民族絶対的優位主義で民衆を煽動し一国を支配したナチズムのヨーロッパでの躍進、そしてそのナチズムがデンマークを占領した時の彼の心境はどれほどのものだったか計り知れません。デンマークに住むユダヤ系住民に対する強制収容所への強制連行の噂が現実味をおび、彼は親友のポール・ヘニングセンと共に、デンマークから小さな手漕ぎボートを使い広いエーレ海峡を渡りスウェーデンに亡命します。亡命は戦争が終わる5年も続きました。

家具や照明を積極的にデザインするようになったのは戦後、スウェーデンから戻ってきてから。亡命する前、彼自身が話しているように彼はル・コルビュジエから多大な影響を受けたバウハウス本幹の建築家。そして彼はバウハウスの考え方を建築でデンマークに持ち込んだ第一人者です。

スウェーデンへの亡命前、建築において数々の賞を取った完璧主義のアーネ・ヤコブセン。もともと神経質な性格な彼、自分のやりたいと思うことについて他を寄せ付けない鋭さがありました。戦争が終わり、デンマークに戻った彼の元には足りない住宅の設計、また市民が使う公共の施設の設計など社会インフラを築き上げるプロジェクトが立て続けに舞い込みます。亡命先での5年間、彼には自分自身を見つめる余りある時間があったに違いありません。「デンマークで生まれ育った、それでも民族的な迫害をうける僕自身の人生ってなんだろう」って。

答えなんてないと思うんです。でも彼には設計の力があった。迫害から逃れた。それでも、戻ったデンマークからは社会インフラ、つまり国のために仕事をして欲しいとの依頼。「僕でも設計の力で、生まれ育ったデンマークの社会に貢献できるんじゃないか」、それまでは自らの能力の発表の場であった設計が、「社会に貢献する」という一本別の筋ができた、そんな感じだったんじゃないかと思うんです。だから、彼は設計に全てをかけた。その全てをかけ設計したのは建物だけでなく、家具もさることながら、照明、床材、庭など全てが含まれた。北欧デンマークらしい「人々のためのデザイン」。戦争という悲劇があり、彼は大回りをしこの境地に立ったんじゃないかと思います。

彼の思いが結実したSASロイヤルホテルプロジェクがゲームチェンジャーと言われる所以です。AJテーブルランプもこのプロジェクトから生まれています。だから、金属という素材の直線的なデザインでありながらも、北欧デンマークらしい温かみがあるのも納得です。

AJテーブルとAJ テーブルミニの大きさ

SASプロジェクト用にデザインされたサイズはAJテーブル（右側）。そして2020年にミニサイズ（右側）が登場です。ミニとはいっても40w相当のLED電球が使われ、十分な照度があります。比較的近くのものを照らすならミニ、それよりも広範囲を照らしたいならAJテーブル（60w相当のLED電球）です。

動かせる部分

シェード部分が上下に約75度動かすことができます。

ベースを手で押さえながらシェード部分を上下させて動かします。左右の動きには対応していません。シェードを左右に動かしたい場合、器具全体を動かし行って下さい。

カラーバリエーション

ステンレス・ポリッシュ仕上

商品ページ　▶︎

ホワイト

ブラック

ペール・ペトローリアム

商品ページ　▶︎

エレクトリック・オレンジ

ソフト・レモン

ウォーム・サンド

ダスティ・ブルー

ウォーム・グレー

商品ページ　▶︎

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商品詳細

(cm)

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ABOUT Louis Poulsen ールイスポールセンについてー

1874年に創業したデンマークの照明メーカー、ルイスポールセン。「形態は機能に従う」、というスカンディナヴィア・デザインの伝統にもとづく製品づくりを実践しているメーカーです。ルイスポールセンの製品の機能とデザインはどれも、自然の光のリズムを反映し、サポートするよう意図されています。ルイスポールセンでは製品のすべてのディテールが目的を持っていると考え、ルイスポールセンの製品をを使い頂くことで、ルイスポールセンが提供する製品デザインのすべては「光に始まり、光に終わる」ことを体現頂けます。

全社員が共有する情熱的なクラフツマンシップの重要性は視覚的に美しい製品を生みだす礎となっています。

ルイスポールセンは、ポール・ヘニングセン、アーネ・ヤコブセン、ヴァーナー・パントン、オイヴィン・スロット、アルフレッド・ホーマン、佐藤オオキ、ルイーズ・キャンベルといった、才気あふれるアーキテクトやデザイナーとの密接なパートナーシップによって、住宅、建築、街並みの照明のためのグローバルなトップ・プレイヤーのひとつとして、地位を築いてきました。ルイスポールセンの製品の用途は一般住宅から公共建築、屋内、屋外すべての範囲に及んでいます。

シンプルで美しいデザイン。それがルイスポールセンの特徴です。 人々と空間に影響を与える魅力的な雰囲気を作りだすことが、ルイスポールセンが目指すところなのです。

ルイスポールセン目指すデザインは、「光をかたちづくるデザイン」です。

以下はルイスポールセンがポールヘニングセンから培ってきた大切なフィロソフィーです。長い歴史の中で守られ続け、現在に新しく生まれる数多くのデザインにも受け継がれています。

■グレア（「眩しさ」）が直接目に入りにくいデザイン
■光の反射・拡張に関して、照明工学的なロジックに従っていること
■照明器具の形状やディテイルは、機能的デザインの表現したものであること
■明かりを付けたも消したときも、空間に美しい雰囲気をつくりだすこと